中国製品への依存高まる、輸入に占める割合2ケタ台に

ドイツの1-9月期の輸入に占める中国製品の割合が11.3%強に達したことを、連邦統計局のデータをもとにロイター通信が12日、報じた。これは過去最高となった昨年通期の9.9%強を1.4ポイントも上回っており、対中依存は今年、一段と高まりそうだ。

1-9月期の中国からの輸入高は前年同期比5%強増の852億ユーロだった。ドイツ全体の輸入高がコロナ危機で9.3%減の7,511億ユーロへと大幅に減ったことから、中国の比重が高まった。

メルカトル中国研究所のマックス・ツェングライン主任エコノミストは、コロナ禍に伴い医療品と電気製品の需要が増えたことが背景にあると語った。電気製品は在宅勤務が急増したことを受けて販売が伸びている。

対中依存度が高まったことについては、「グローバルなサプライチェーンの寸断はすべての企業にとって問題となっているが、中国からの製品供給へのドイツの依存は全体的にみると小さい」との見方を示した。ただ、同エコノミストは、通商や安全保障面での米中対立など政治リスクが高まっていることも指摘。産業、安全保障、医療面で重要な物資については調達先を多様化することが必要不可欠だと強調した。

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