独化学工業会(VCI)が11日発表した独業界(製薬を含む)の7-9月期(第3四半期)の売上高は438億ユーロとなり、前期比で2.8%増加した。前期は新型コロナウイルス感染の第1波の影響で大きく減少したが、7-9月期は拡大へと転換。国内売上が3.5%、国外が同2.5%の幅で伸びた。ただ、足元の欧州ではドイツも含め感染第2波の只中にあり、VCIのクリスティアン・クルマン会長は、最終四半期の10-12月期は状況が再び厳しくなりそうだと慎重な見方を示した。
第3四半期の生産高は前期比で1.9%増加した。製薬を除いたベースでは伸び率が4.9%に上っている。ポリマーが13.2%増と特に大きく伸びた。
化学・製薬業界の工場稼働率は前期の77.5%から81.6%へと上昇し、正常水準までほぼ回復した。
出荷価格は前期を0.5%上回った。
前年同期比でみると、売上高は7.5%減少した。国内が6.5%、国外が8.0%それぞれ減少。生産高も1.7%落ち込んだ。出荷価格は2.8%低下している。
2020年全体の業績見通しは据え置いた。生産高で3.0%減、出荷価格で2.0%の低下、売上高で6.0%減の1,864億ユーロを見込む。