高級乗用車大手の独BMWは18日、ミュンヘン本社工場に新たな組み立て施設を設置すると発表した。電動車の生産増をにらんだ措置。新施設は現在のエンジン生産施設のある場所に建設することから、エンジン生産を英ハムスホール工場と墺シュタイル工場に移管する。欧州のエンジン生産は両工場に集約されることになる。
2026年までに約4億ユーロを投じ、本社工場内に組み立て施設を設置する。同施設では内燃機関車と電動車を1本の生産ラインで混流生産することから、電動車の需要の増加に対応できる。
ミュンヘン工場では現在4気筒、6気筒、8気筒、12気筒エンジンを生産している。これを段階的に縮小し、24年までに全面停止する。
生産移管先の1つである英国は欧州連合(EU)との来年以降の通商関係が不透明であるうえ、内燃機関車の販売を30年から禁止する方針を打ち出している。それにも関わらずエンジン生産を英国に移管する理由をミラン・ネデリコヴィチ取締役(生産担当)は、英子会社ロールスロイスのモデルに今後も8気筒、12気筒エンジンを搭載するためだと説明した。
本社工場でエンジン製造に携わる社員は1,400人に上る。同社はこれらの社員をミュンヘンないし周辺地域の拠点に配置換えする意向だ。