ドイツ鉄道―燃料電池列車の実用試験をシーメンスと実施―

ドイツ鉄道(DB、ベルリン)は23日、電機大手シーメンスと共同で燃料電池列車の実用試験を実施すると発表した。ローカル線で用いられているディーゼル列車を将来的に燃料電池列車へと置き換えていき、鉄道での二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減する狙いだ。

2024年の1年間、西南ドイツのホルプ、テュービンゲン、プフォルツハイムを結ぶ区間で試験を実施する。再生可能エネルギーを用い、電解設備で環境に優しいグリーン水素を製造。列車に同水素を搭載して走行する。試験期間中の総走行距離は約12万キロメートルで、これによりCO2排出量を計330トン削減できる見通しだ。

試験にはシーメンスのローカル電車「ミレオ・プラス」を燃料電池仕様に改良した「ミレオ・プラスH」を投入する。燃料電池とリチウムイオン電池を搭載する同列車は航続距離が600キロと長い。水素補給の所要時間は軽油と同じ15分にとどまる。最高速度は時速160キロ。

「H2ゴーズ・レイル(H2goesRail)」と命名された同プロジェクトは地元バーデン・ヴュルテンベルク州の支援を受ける。連邦経済省は「国家水素・燃料電池技術イノベーションプログラム(NIP2)」から補助金を交付する考えを示している。

上部へスクロール