ドイツ連邦ネットワーク庁(BNetzA)は23日、次世代移動通信規格5Gを局地的に利用する「ローカル5G」の申請件数が免許付与手続きを開始した1年前からこれまでに計93件に達したことを明らかにした。すでに88件の免許を付与している。ヨッヘン・ホーマン長官は、ローカル5Gへの関心は大きいと述べ、今後も多くの申請がなされるとの見方を示した。
ローカル5Gは工場や大学構内など特定の狭いエリアで利用される5G通信網。電気通信事業者が全国的に展開する広域の5G通信網とは別枠で扱われている。ドイツでは3,700~3,800メガヘルツの周波数帯域がローカル5G向けに割り当てられている。免許取得は有料で、料金は使用する帯域幅と地域の広さで決まる。
ローカル5Gに対する経済界の期待は大きく、独自動車工業会(VDA)は「インダストリー4.0のビジョンを実現するための基盤が作られる」と指摘。独化学工業会(VCI)も「化学業界のデジタルトランスフォーメーションを促進するための重要な前提だ」と強調した。
免許の取得者にはアウディ、メルセデス・ベンツ(ともに自動車)、エボニック(化学)、ドイツ・メッセ(見本市)などドイツ企業のほか、中国の華為技術など外資も含まれる。日本企業ではNTTデータが取得した。