独ダイムラー、LAB 1886を売却か=独誌

独自動車大手のダイムラーは、新しい事業モデルなどのイノベーションを推進するために設置した組織「Lab 1886」の売却を計画している模様だ。インサイダー情報によると、売却価格は1億ユーロ弱と推測されている。独経済誌『ヴィルツシャフツボッヘ』が報じた。

同誌によると、ダイムラーは、シュツットガルトに本社を置く中堅IT企業GFTの創業者で、独情報通信業界連盟(Bitkom)の副会長を務めるウルリッヒ・ディエツ氏に「Lab 1886」を売却するもよう。ダイムラーとGFTはいずれも、メディアの取材に対し、売却計画を認めていないものの、ダイムラーの広報担当者は、「オープンなイノベーションプラットフォームについて潜在的な外部のパートナーと協議している」とコメントしている。

『ヴィルツシャフツボッヘ』誌によると、ディエツ氏は、同氏の投資会社RBキャピタルとGFTを通して新しい持ち株会社1886ベンチャーズの資本の90%を保有する計画で、ダイムラーは残り10%を維持するもよう。ディエツ氏は、同組織を、IT技術を活用したデジタルベースのイノベーションプラットフォームとして新しい事業モデルを開発し、外部に提供していく方針と見られている。また、ディエツ氏は6月に、シュツットガルトで有限会社(GmbH)「1886ベンチャーズ」の商業登記を完了している。

『ヴィルツシャフツボッヘ』誌によると、「Lab 1886」には現在、従業員約70人が勤務している。インサイダー情報によると、これらの従業員は、退職金を得て新会社1886ベンチャーズに移るか、ダイムラーグループ内での配置転換を選択することができる。

ダイムラーはこれまでに、「Lab 1886」を通してカーシェアリングサービス「Car2Go」や、「ムーベル」、「メルセデス・ミー」などの事業モデルを実現させている。ダイムラーは少なくとも当該組織に少なくとも5億ユーロを投じてきたと見積もられている。

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