ミュンヘンを州都とするバイエルン州政府は6日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた措置の強化方針を発表した。これまでの措置の効果で新規感染者数の爆発的な拡大には歯止めがかかったものの、感染者数自体は極めて高い水準が続き、減少の兆しがないことから、より踏み込んだ対策に踏み切る。州議会の可決を経て9日から1月5日までの約1カ月間、実施する。
ドイツでは人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数が計50人を超えた地域を「危険地域」に指定し、感染防止策の強化を義務付けている。ロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、ドイツ全体では6日時点で同142人を記録。バイエルンは175人と危険地域の目安(50人)の3.5倍に達した。
バイエルン州はこれを踏まえ、9日から不要不急の外出を禁止する意向だ。外出できるのは出勤、通学、買い物、運動、ミサへの参加などに限られる。友人宅などを訪問する際は、14歳未満の子供を除き最大5人までしかその場に居合わせることができない。屋外での飲酒は禁止される。国外から同州に入国できるのは通勤・通学者および、一親等以内の親族ないし祖父母を訪問する人に制限される。
人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数が200人を超える超危険地域に対してはより厳しい措置を導入する。21時~5時の時間帯は通勤や緊急通院などを除き外出が禁止となる。
年末年始の制限緩和についても国内16州と国(連邦)の取り決めとは異なる独自ルールを導入する。
国とバイエルンを含む16州は12月23日~1月1日の期間について、制限措置を緩和することを11月下旬に取り決めた。クリスマスと年越しパーティーが家族や友人との紐帯を保つうえで極めて重要なイベントであることを考慮したもので、家族数にかかわりなく最大10人が集まることを認めている。
バイエルン州はこの緩和期間を23~26日の4日間に短縮する。ただ、緩和措置は新規感染者数200人超の地域にも適用される。
コロナ規制の強化を求める声は他の州でも出ており、ヘッセン州のフォルカー・ブフィエ首相は6日、新規感染者200人超の地域では外出の原則禁止措置が必要だと述べ、同州でも制限強化を検討する考えを表明した。また、連邦政府のヘルガ・ブラウン官房長官は日刊紙『ビルト』に、「制限強化をクリスマス前に全会一致で決議するのであれば国も参加する」と述べ、コロナ規制の強化に向けたアンゲラ・メルケル連邦首相と16州の首相の次回会議を当初予定の1月4日から前倒しすることに前向きな姿勢を示した。