乗用車新車登録11月も減少、EVは6倍強・PHVは5倍弱に拡大

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した11月の乗用車新車登録台数は前年同月比3.0%減の29万150台となり、2カ月連続で落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染者急増とロックダウン(都市封鎖)の再導入を受けて、企業が先行き懸念を強め社用車投資を抑制していることが響いた格好。電動車は補助金拡大の効果で大幅に増加した。1~11月の新車登録台数は260万6,284台で、前年同期を21.6%下回った。

11月の数値をみると、社用車としての登録は前年同月比で14.7%減少した。マイカーとしての登録は電動車補助金の拡大や付加価値税率の引き下げ、販促措置の効果で22.8%増加。シェアは39.4%に上った。

新車登録台数を動力源別でみると、購入補助金の対象となる電気自動車(EV)は前年同月比522.8%増の2万8,965台、プラグインハイブリッド車(PHV)は383.4%増の3万621台へと、ともに急拡大した。ハイブリッド車(HV。PHVを含む)も177.2%増の7万1,904台と3ケタ台の伸びを記録している。

一方、純粋な内燃機関車は振るわず、ガソリン車は32.3%減、ディーゼル車は25.5%減と大幅に落ち込んだ。シェアはガソリン車で前年同月の57.9%から40.4%、ディーゼル車で31.6%から24.3%へと縮小した。

環境対応車が急増し、内燃機関車が大きく後退したことから、走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は前年同月比18.8%減の126.2グラムへと大幅に低下した。

新車登録を部門別でみると、増加幅が最も大きかったのはこれまでに引き続きキャンピングカーで、110.8%に達した。キャンピングカーは新型コロナの感染を避けて旅行したいという消費者のニーズを背景に需要の急拡大が続いている。このほか、小型車(12.6%増)で伸び率が大きかった。ミニバン(33.3%減)、中大型車(22.7%減)は2ケタ減と振るわない。SUVは1.7%減少したものの、シェアは22.4%でトップを維持した。

登録台数の伸び率が最も大きかったブランドはEV専門のテスラで、前年同月比500.0%増の1,680台を記録した。これにフィアット(42.7%増の7,577台)、トヨタ(33.1%増の8,498台)が続いた。ルノー(29.2%増の1万3,775台)とシトロエン(28.6%増の4,487台)も20%台の大きな伸びを確保した。

ドイツ車ではオペル(17.1%増の1万8,338台)、アウディ(3.1%増の1万9,149台)、メルセデス(0.5%増の3万2,869台)が増加した。そのほかのブランドはBMWが1.4%減の2万4,532台、ポルシェが3.7%減の2,759台、ミニが8.1%減の3,634台、フォードが15.8%減の1万9,669台、VWが18.4%減の5万1,087台、スマートが49.2%減の3,018台だった。

トヨタ以外の日本車ではホンダが13.5%増の1,043台、スズキが10.9%増の2,316台、日産が10.5%増の2,975台、レクサスが7.8%増の332台へと拡大。マツダ(10.2%減の5,928台)、スバル(14.6%減の357台)、三菱(27.0%減の2,910台)は減少した。

日本車以外の主な輸入ブランドで増加したのはDS(15.0%増の268台)、ジープ(12.8%増の1,449台)、起亜(7.5%増の5,600台)、シュコダ(3.0%増の1万7,094台)、現代(2.8%増の9,936台)。そのほかはランドローバーが1.0%減の1,254台、プジョーが6.8%減の5,828台、ボルボが7.3%減の4,615台、ダチアが12.0%減の4,702台、セアトが21.6%減の9,291台、アルファロメオが21.9%減の324台、ジャガーが34.8%減の483台、双竜が48.0%減の116台へと後退した。

上部へスクロール