英金融大手HSBCホールディングスは19日、国内の82支店を閉鎖すると発表した。ネットバンキングを利用する顧客が増えていることや、コロナ禍で経営が悪化していることを受けたもので、4月から9月にかけて実施する。
HSBCでは新型コロナウイルス感染拡大の前から顧客の9割がオンラインや電話で取引しており、支店の窓口を利用する人が急減していた。コロナ禍に伴う外出制限で、窓口利用がさらに減っていることから、国内支店全体の約14%に相当する82支店の閉鎖を決めた。
残る511支店の多くも窓口業務を減らし、デジタル化を進める。また、「ポップアップ型」と呼ばれる簡易的な施設で銀行サービスを提供する新形態の支店を年内に開設することも明らかにした。
欧州では同様の理由で支店を減らす銀行が相次いでおり、英国ではTSB銀行が20年9月、国内支店の約3分の1に相当する164支店を閉鎖すると発表。仏大手銀行ソシエテ・ジェネラル、ドイツ銀行なども同年に支店の大幅な縮小を決めた。