ロシアで18日、全国民を対象に新型コロナワクチンの接種を呼びかけるキャンペーンが始まった。年内の集団免疫獲得に向け、ワクチン接種率60%の達成を目指す。ただ、ワクチンの第3相臨床試験がまだ終了していないことや、これまでの試験データが未公表なことなどから接種に対して消極的な人が多く、進捗が遅れる可能性がある。
用いられるのは国内で開発されたワクチン「スプートニクV」と「エピワクコロナ」の2種類。被接種者の意向でどちらか選べるという。いずれのワクチンもまだ第3相臨床試験を実施中だ。
独立系世論調査機関レヴァダセンターが12月末に発表したアンケート結果によると、予防接種を受ける用意のある人が38%にとどまる一方、受けたくない人は58%に上った。副作用の懸念を理由に挙げた人が最も多かった。
ロシアでは12月初め、医療従事者・教師など特定の職種に従事する人を対象にワクチンの無料接種が始まった。月末には60歳超に対象を拡大。今回のキャンペーンから特定のグループに属さない一般市民も接種を受けられるようになる。タチアナ・ゴリコヴァ副首相によると、今月中にワクチン210万回分が一般市民向けに用意されるという。