インフィニオン―業績予測引き上げ、半導体不足解消は早くて7月―

半導体大手の独インフィニオンは4日の決算発表で2021年9月通期の売上高予測を3億ユーロ引き上げ、108億ユーロとした。受注が極めて好調なためで、売上高営業利益率も16.5%から17.5%へと上方修正した。

20年10-12月期(第1四半期)の営業利益は4億8,900万ユーロとなり、前期を29%上回った。自動車市場回復のほか、コロナ禍に伴う非接触決済需要や在宅勤務の急増が追い風となった。売上高は6%増の26億3,100万ユーロで、売上高営業利益率は15.2%から18.6%へと上昇した。

全体をけん引したのは車載半導体部門で、営業利益は前期の5,900万ユーロから3.1倍の1億8,500万ユーロへと急増。売上高営業利益率は5.6%から16.1%へと上昇した。

ラインハルト・ポス社長は記者会見で、オーストリアのフィルラハに建設中のパワー半導体工場を予定より3カ月早い7-9月期(第4四半期)に稼働させる意向を表明した。投資総額も1億ユーロ増やし16億ユーロとする。パワー半導体は電力を調整したり消費電力を抑制する部品。車両の電動化やIoTの普及、再生可能エネルギーの利用拡大に伴い需要の長期拡大が見込まれている。

世界の車生産に支障をもたらしている車載半導体不足については、解消の時期が早くても下半期初頭になるとの見方を示した。年末になることはないとしている。

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