EUで偽物の新型コロナワクチンを政府に売りつけようとする詐欺が横行している。ワクチンの不足で接種が遅れている政府の弱みに付け込んだもので、EU機関の欧州不正対策局(OLAF)は15日、各国政府に注意するよう呼びかける声明を発表した。
OLAFによると、政府に偽物ワクチンの提供を持ちかけた詐欺事件に関する多数の報告が寄せられている。大量のワクチンを入手できる特別な経路があると偽ってサンプルを送り付け、頭金を支払うよう要求し、姿を消すといったケースがあるという。
OLAFは新型コロナ感染拡大が深刻化した昨年3月から、マスクや手指消毒剤、PCR検査キットなどの偽物が出回ることを警戒して監視を続けている。これまでに1,000件以上の詐欺が発覚し、1,400万点以上の偽物品を押収した。これまでのところ偽物ワクチンを押収した例はない。