ロシュ、分子診断の米ジェンマーク買収で合意

スイスの製薬大手ロシュは15日、分子診断システムの米ジェンマーク・ダイアグノスティクスを約18億ドル(約1,960億円)で買収することで合意したと発表した。両社の取締役会は既に買収計画を承認しており、2021年第2四半期の取引完了が見込まれる。

ロシュはジェンマークの全株取得を目指し、1株につき現金24.05ドルでの株式公開買い付けを実施する。これは買収観測が報じられる前の2月10日終値に43%上乗せした水準。

ジェンマークは単一の患者サンプルから複数の病原体を検出するための分子診断テストを手がける。同社が持つ多様な技術はロシュの診断部門を補完し、新型コロナウイルスを含む広範な感染症の検査ニーズへの対応が可能になる。

市場関係者は両者の取引を歓迎している。スイスの有力銀行ボントベルのアナリスト、ステファン・シュナイダー氏は「ロシュはモジュール化された拡張性のある新たな検査技術を手に入れることになり、ジェンマークの買収は理に適っている。今回の取引でロシュの診断部門は21年以降、成長が大きく加速するだろう」とコメントした。

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