独フォルクスワーゲン(VW)の高級スポーツ車子会社ポルシェはこのほど、トルコの電気自動車(EV)向け充電網を今年末にかけて拡大する計画を明らかにした。ポルシェは同国に充電網を整備した最初の自動車メーカーで、これまでに780万リラ(約80万ユーロ)を投じて100カ所に充電スタンドを設置してきた。今年中に220万リラを追加投資し、充電施設を190カ所まで増やす予定だ。
ポルシェはEVでトルコ最大の販売シェアを持つ。昨年に同社初のEV「タイカン」を発売し、併せて充電網を拡大した。現在、同社の充電ネットワークは同国4位の規模に成長しており、その中には超高速充電が可能な出力350キロワットの充電施設が3カ所含まれる。同社はまた、同国にバッテリー修理のための拠点を開設し、東欧地域にアフターセールスサービスを提供していくことも検討している。
「タイカン」は出力350または320キロワットの充電施設を利用した場合、わずか22分半で容量の80%まで充電できる。
トルコではEVの販売増に合わせて関連投資も増えている。3月16日には同国最大の複合企業コチ・ホールディングと米フォードの合弁自動車メーカーであるフォード・オトサン(Ford Otosan)が20億ユーロを投じて新型商用車とEV用バッテリーを生産する計画を明らかにした。コジャエリ県に持つ工場を拡張し、バッテリーから車体までEVの一貫生産を行える同国初の工場として整備する。
トルコでは国産自動車の開発を目指すトルコ・オートモービル・ベンチャーズ・グループ(TOGG)が2022年中の「国民電動車」の生産開始を目指し、昨年7月に新工場の建設に着手している。