仏フォルシア、上海モーターショーで次世代コックピット技術など紹介

仏自動車部品大手のフォルシアは6日、上海モーターショー(19日~28日)で、次世代のコックピットシステムや低排出のソリューションを公開すると発表した。コックピットは中国市場のニーズに合わせて設計したもので、没入型のインテリアデザインが特徴。低排出分野では主に商用車向けの水素燃料技術を紹介する。

フォルシアによると、次世代コックピットは個々のドライバーの嗜好に合わせてパーソナライズされた環境を提供する。主な特徴として、◇インパネやエアコンなどの室内機能を1枚のパネルに統合した「スマートサーフェス」◇操作性に優れたヒューマンマシンインターフェース(HMI)◇乗員モニターシステム◇快適性を向上させる各種機能◇ダッシュボードの端から端までをディスプレイ化する「ピラー・トゥー・ピラー・ディスプレイ」――などを装備する。また、座席に照明機能を組み込んだ独自技術の「LUMI」も公開する。これらのうち、HMIは中国のホライズン・ロボティクスと共同で、LUMIは上海にある大学で開発されたという。

水素燃料関連では、仏タイヤ大手のミシュランとの燃料電池事業合弁「シンビオ(Symbio)」を通じ、長距離トラック用の水素貯蔵システムを紹介する。同システムは7つのタンク(容量70キログラム)で構成され、航続距離で700キロメートルを確保している。定格出力は用途に応じ150キロワット(kW)から300kWの間で調節できる。

中国では燃料電池車(FCV)が2030年までに100万台普及すると予想されている。フォルシアは2月、同国の高圧タンク製造大手CLDを買収し、需要取り込みに向けて布石を打っている。

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