FCH2RAIL

新しいエミッションフリーの走行が可能な鉄道車両の開発に取り組む欧州プロジェクト。具体的には、高架線による電力供給と、燃料電池と充電池で構成される「燃料電池ハイブリッドパワーパック(Fuel Cell Hybrid PowerPack)」を組み合わせた駆動システムを開発・実装・走行試験する。

実施期間は2021年1月1日~2024年12月31日までの4年間。プロジェクト予算約1,400万ユーロのうち、欧州連合(EU)が約1,000万ユーロを支援している。

プロジェクトには、ベルギー、ドイツ、スペイン、ポルトガルから8社・機関が参加している。調整役はドイツ航空宇宙センター(DLR)。

燃料電池モジュールはトヨタの欧州統括会社トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)が、バッテリーはスペインの鉄道車両メーカーCAFが供給する。

EU域内の鉄道ルートの約半分は高架線が整備されているが、残り半分のルートでは現在、ディーゼル鉄道車両が走行している。

今回のプロジェクトでは、高架線が整備されているルートでは、高架線を使用して走行し、高架線が整備されていないルートでは、燃料電池ハイブリッドパワーパックを活用して走行する鉄道車両を開発する。具体的には、既存の近距離用電車を改造し、燃料電池ハイブリッドパワーパックを搭載する計画で、最初の機能試験や実用試験はポルトガルとスペインの鉄道路線を使って実施する予定。

また、燃料電池ハイブリッドパワーパックはモジュール式とし、旅客輸送や貨物輸送など様々な需要に対応できるようにする。駆動力は燃料電池およびバッテリーモジュールの数により調整し、高架線のないルートでの航続距離は水素タンクの数により調整することができる。

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