仏タイヤ大手のミシュランは4月23日、仏新興企業キャルビオ(Carbios)が開発したPET(ポリエチレンテレフタレート)廃棄物の酵素リサイクル技術の活用検証に成功したと発表した。廃タイヤに含まれるPET材の再生を可能にするもので、ミシュランが目指す100%持続可能なタイヤ生産に向けて大きく前進する。
PET樹脂はタイヤの補強材に用いられる主要繊維原料のひとつ。キャルビオは酵素を使って同樹脂を分解し、再生繊維を製造する技術を持つ。ミシュランによると、キャルビオの再生繊維は同社のタイヤ要件を満たす高い靭性を備えており、バージンPETと同等の品質を確保できる。
ミシュランはタイヤ原料の持続可能性を2030年までに40%、50年までに100%とする目標を掲げる。キャルビオの技術を廃タイヤのPET材リサイクルに活用することで、同目標に必要な循環型プロセスの構築が可能になる。