仏ソシエテ銀、トレーディング部門への依存低減

仏大手銀行ソシエテ・ジェネラルは10日、トレーディング部門への依存を低減し、投資銀行部門の収益拡大と収入の安定化を図る方針を打ち出した。コーポレートバンキング事業を強化し、資金調達や合併・買収(M&A)アドバイザリー業務、トランザクションバンキングなどに注力する。

ソシエテは新型コロナウイルス感染拡大の影響による株式市場の混乱などで深刻な打撃を受け、2020年に通年では過去10年で初めて赤字に陥った。株式部門は今年1-3月期に15年以来の好業績を上げたものの、収益の変動を小さくするため、法人・投資銀行部門の見直しを進めていた。

同行は今回、グローバル・バンキング・インベスター・ソリューション(GBIS)部門の標準的株主資本利益率(RONE)を、現在の7%から23年に10%以上に引き上げるとの目標を打ち出した。また、資金調達とアドバイザリー業務の収入を20~23年に年3%のペースで拡大する。一方、GBIS部門の収益は23年に50億ユーロ前後で安定すると見込んでおり、同部門のコストは20年の約58億ユーロから23年に55億~57億ユーロに削減する計画だ。

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