NECは6月29日、移動通信ソリューション事業者の米マベニアと共同で、独通信大手ドイツテレコムの商用オープンRANプロジェクト「O-RAN Town」向けに超多素子アンテナを搭載した5G基地局装置を提供すると発表した。NECは英ボーダフォンが英国に構築する商用オープンRANでも、超多素子アンテナ搭載5G基地局装置を提供すると先ごろ発表したばかり。5Gインフラ分野で存在感を高めつつある。
オープンRANは無線送受信装置などの仕様をオープンにして、複数メーカーの機器やシステムを相互接続できるようにした無線アクセスネットワーク(RAN)。特定メーカーへの依存を避け、RANを自由に構築できることから、電気通信サービス事業者の間で需要が高まっている。
O-RAN Townはドイツテレコムが計画する大規模な商用オープンRANの展開に向けた取り組みの第1弾。独北部のノイブランデンブルクで住民約6万5,000人に4G、5Gサービスを提供する。
NECは同プロジェクトで、オープンRAN推進団体の「O-RAN Alliance」が定める仕様に準拠し、高度なビームフォーミングを実現する超多素子アンテナ搭載5G基地局装置の無線機(RU)を提供する。同RUを活用することで、トラフィック量に応じた通信の大容量化と動的な最適化を実現できる。
マベニアは、オープンインタフェースに基づいたクラウドネイティブの基地局装置の制御部をソフトウエアとして提供する。