伊が店内飲食などで「グリーンパス」提示義務化、感染再拡大で

イタリア政府は22日、飲食店の屋内席などを利用する際、ワクチン接種や検査での陰性などを証明する「グリーンパス」の提示を義務付けると発表した。デルタ型変異ウイルスの広がりで感染が再拡大しているためで、8月6日から適用する。7月末までとなっていた非常事態宣言を12月末まで延長することも併せて発表した。

グリーンパスは少なくとも1回のワクチン接種や、48時間以内に受けたPCR検査または抗原検査での陰性、過去6カ月以内の新型コロナからの回復を証明するもので、イタリアでは7月1日から全面的に有効となった。新たな規制では飲食店のほか、スポーツジム、映画館や劇場、美術館などの文化施設、スポーツイベント、テーマパークなどを利用する際、グリーンパスの提示が求められる。違反した場合は事業者と利用者の双方に400~1,000ユーロの罰金が科せられ、3日間に3回違反を繰り返した場合は最大10日間の営業停止となる。

ドラギ首相は会見で「デルタ型は脅威だ。グリーンパスの提示義務化は恣意的なものではなく、経済活動を全面的に再開するための条件だ」と強調。フランスなどで感染が急拡大している現状に触れ、迅速に行動する必要性を訴えた。

イタリアでは7月に入って感染が再拡大しており、6月下旬に700人台だった1日の新規感染者数はこのところ5,000人超で推移している。ワクチンは12歳以上の約5割が接種を完了しているが、若年層の接種率は依然として低い。ドラギ首相は若者を中心に接種スピードを加速させる必要があると訴えた。

欧州ではワクチンの普及に伴い、飲食店などの営業規制や移動制限が緩和されてきたが、感染力の強いデルタ型の広がりで再び規制が強化されている。フランスでは7月21日から美術館や映画館などに入場する際、ワクチン接種や検査の陰性を証明する「衛生パス」の提示が求められており、8月1日以降は飲食店や商業施設、長距離鉄道やバス、航空機を利用する際も必須となる。また、9月15日以降は医療従事者にワクチン接種を義務付け方針を打ち出している。

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