英自動車工業会(SMMT)は7月29日、同国の2021年6月の乗用車生産が6万9,097台となり、前年同月に比べ22.1%増加したと発表した。前年同月は、新型コロナウイルスの影響で生産台数が大幅に落ち込んでいた背景があり、前年同月を除くと1953年(5万7,535台)以来の低水準だった。1~6月の累計も前年同期比30.8%増の49万8,923台と、2ケタの増加だったが、2015~2019年の過去5年間の平均(81万83台)との比較では38.4%の減少だった。
上半期は、新型コロナウイルスに加え、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う新しい貿易規制への対応や、半導体の供給不足も英国の乗用車生産の回復を妨げる要因となった。また、同国では、新型コロナウイルス関連の規制が緩和されたものの、英国の工場では現在、従業員が自己隔離規制により出勤できず、従業員が不足する問題に直面している。
このため、SMMTでは英国政府に対し、8月16日に予定しているワクチンの完全接種を終えた成人を対象にした自己隔離規制の免除を前倒しするほか、ワクチン接種をまだ完全に終えていない従業員に対しては、検査を受ければ自己隔離規制の対象外とする措置の導入を求めている。
■ 商用車生産は39.6%増加
SMMTによると、同国の2021年6月の商用車生産は5,808台となり、前年同月に比べ39.6%増加した。1~6月の累計も3万4,318台と、前年同期に比べ30.3%増えたものの、2015~2019年の過去5年間の1~6月の平均(4万3,391台)と比べると20.9%少ない。また、1~6月の商用車生産に占める輸出の割合は48.1%と、2015~2019年の過去5年間の1~6月の平均(57.4%)と比べると大幅に落ちている。
■ エンジン生産は0.6%増加
SMMTによると、同国の2021年6月のエンジン生産は、前年同月比0.6%増の15万7,623基だった。これは、2015~2019年の過去5年間の6月の平均(22万8,152基)を30.9%下回る水準。
1~6月の累計は、前年同期比15.3%増の93万9,488基で、2015~2019年の5年間の1~6月の平均(137万1,161基)と比べると31.5%少ない。