日立製作所は4日、仏防衛・電子機器大手タレスの鉄道信号関連事業を買収することで合意したと発表した。買収額は16億6,000万ユーロ。2022年度下期の買収手続き完了を見込んでいる。
「グラウンド・トランスポーテーション・システムズ(GTS)」と呼ばれる対象事業には鉄道信号システムのほか、鉄道運行管理システム、通信システム、料金収受システムが含まれる。20年の売上高は16億ユーロ。日立は鉄道システム部門の日立レールを通じて、GTSの全株式を取得する。買収額は取引完了直前のGTSの負債額などを考慮して調整するため、変わる可能性がある。
タレスは航空宇宙、防衛分野向け電子機器など中核事業に経営資源を集中するため、鉄道信号関連事業を手放すことを決めた。日立によると、両社の鉄道信号関連事業は地域的、技術的な補完性が高く、買収による大きなシナジー効果が見込める。