イージージェットが買収提案を拒否、ハンガリー企業が打診か

英格安航空会社イージージェットは9日、「低価格で条件付き」の買収提案を拒否したことを明らかにした。買収を打診した企業名は伏せているが、欧米メディアは関係者の話として、ハンガリーの同業ウィズエアーからの提案だったと報じている。

イージージェットは声明で、買収に向けた暫定的な提案があったものの、条件付きの全額株式交換による取引で、同社を「大幅に過小評価」した内容だったため、取締役会は全会一致で同提案の拒否を決めたと説明している。買収案を提示した企業は条件の引き上げなどは検討していないという。

ウィズエアーはコメントを拒否している。新型コロナウイルスによるパンデミックで多くの航空会社が苦境にあえぐ中、同社は西欧市場への進出を加速させる方針を打ち出している。ウィズエアーは人件費などコストを最小限に抑えたビジネスモデルで急成長を遂げており、株価もコロナ禍以前の水準を維持している。

一方、イージージェットはパンデミックからの回復と、今後の事業拡大に向けた資金を確保するため、株主から12億ポンド(約1,830億円)を調達する計画を明らかにした。同社は他の航空会社と同様、コロナ禍で深刻な打撃を受けており、2020年は創業25年の歴史で初めて最終損益が赤字となった。同社はコロナ危機が長引く中、新株発行などでこれまでに55億ポンドの資金を調達し、数十機の機体を売却してリースバックしている。

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