ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した8月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比4.0%減の94.2(暫定値)となり、新型コロナウイルスの感染第1波のただ中にあった昨年4月以来の大幅減を記録した。減少は2カ月ぶり。原材料不足を背景に多くの業界で生産が滞っている。新型コロナの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると8月の水準は9.0%低い。
製造業の指数は前月比4.7%減の91.4へと落ち込んだ。投資財が7.8%減と特に大きく下落。中間財は2.4%減となり、3カ月連続で低下した。消費財は2.6%減だった。
減少幅は自動車・自動車部品業界で極めて大きく、17.5%に達した。半導体不足のほか、今年は車両メーカーの夏休みが8月に集中したことが響いた。機械も6.3%減と大幅に低下した。
建設業は3.1%減の114.1となり、2カ月ぶりに縮小した。指数の水準自体は極めて高い。
エネルギー業は4.1%増の86.2となり、4カ月ぶりに上昇した。
鉱工業生産を特殊要因による統計上のブレが小さい2カ月単位の比較でみると、7~8月は前の期の5~6月を実質1.1%下回った。製造業が1.3%減少。建設業は横ばいだった。
7月の鉱工業生産指数は当初の前月比1.0%増から同1.3%増へと上方修正された。