輸出が1年4カ月ぶりに減少、8月は前月比-1.2%に

ドイツ連邦統計局が8日発表した8月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで前月比1.2%減の1,130億ユーロへと縮小した。減少は昨年4月以来で1年4カ月ぶり。原材料不足を背景に自動車など幅広い業界で生産が停滞していることが反映された格好だ。

8月の輸出高は新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の昨年2月に比べると実質0.5%高かった。コロナ禍前の水準を上回るのは3カ月連続。

輸入高は前月比3.5%増の1,001億ユーロとなり、2カ月ぶりに拡大した。昨年2月に比べると9.9%高い水準にある。

非調整ベースの輸出高は1,044億ユーロで、前年同月を14.4%上回った。比較対象の昨年8月は世界貿易が大きく落ち込んでおり、その反動が大きい。輸入高も同18.1%増の938億ユーロへと伸びた。

貿易収支は107億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月に比べ10.1%縮小した。経常黒字は29.3%減の118億ユーロへと落ち込んだ。

輸出を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはユーロ圏で、前年同月を16.9%上回った。EUのユーロ非加盟国は13.2%増。EU域外は13.1%増で、米国は22.4%、中国は4.4%伸びた。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は15.1%減となり、5カ月ぶりに縮小した。

輸入ではEU域外との取引が25.9%増と大きく伸び全体をけん引した。中国は20.4%増、米国は12.3%増、英国は7.9%減だった。

1~8月の輸出高は8,927億ユーロとなり、前年同期を15.9%上回った。ユーロ圏向けが19.4%、EUのユーロ非加盟国向けが20.3%の幅で増加。EU域外向けは11.7%増で、英国向けも0.9%伸びた。

1~8月の輸入高は15.9%増えて7,676億ユーロとなった。ユーロ圏からが16.8%、EUのユーロ非加盟国からが18.4%、EU域外からが14.3%増加。英国からは7.4%減だった。

1~8月の貿易黒字は1,250億ユーロで、前年同期を15.6%上回った。経常黒字も12.1%増の1,529億ユーロへと拡大した。

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