英中銀、「数カ月以内の利上げ必要」

英中央銀行のイングランド銀行(BOE)は2日に開いた金融政策委員会で、政策金利を過去最低の年0.1%に据え置くことを決めた。ただ、物価が急上昇していることから、同委員会は4日に発表した声明で「数カ月以内」の利上げが必要になるとの見方を示した。

英国では経済正常化、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱に伴って物価が急上昇しており、9月のインフレ率は3.1%と、中銀目標の2%を大きく超えた。市場ではBOEのベイリー総裁が10月、「金融政策委員会は行動しなければならない」と述べたことから、今回の理事会で利上げが決まるとの見方が出ていた。

声明によると、9人の委員のうち2人が0.15ポイントの利上げを主張したが、7人が現状維持を支持し、金利据え置きが決まった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時帰休を余儀なくされた従業員の給与の一部を補填する企業支援策が9月末に終了し、それが雇用、物価に及ぼす影響を見極める必要があると判断した。

それでも、金融政策委員会はインフレ率が22年4月には5%まで跳ね上がり、その後は縮小に転じるものの、23年春まで3%を超える水準が続くと予想。経済が順調に推移すれば、数カ月以内に利上げが必要になるとの見解で一致した。

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