フランスのマクロン大統領は9日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)を65歳以上の人に事実上義務付ける方針を打ち出した。感染が再拡大していることを受けた措置。これまでは65歳以上の人と、新型コロナに感染すると重篤化のリスクが高い基礎疾患がある人が追加接種の対象となっていたが、50歳以上に拡大することも明らかにした。同国では8月初めから、飲食店や長距離列車などを利用する際、新型コロナワクチン接種や検査での陰性を証明する「衛生パス」の提示が義務化されている。マクロン大統領はテレビ演説で、2回目の接種を終えてから6カ月以上が経った65歳以上の人に追加接種を求め、拒否した場合は12月15日から衛生パスを無効にすると発表した。フランスでは新型コロナ感染者が急増しており、保健省によると9日に確認された新規感染者は1万2,476人に上った。9月8日以来の高水準だ。こうした状況を受けて、政府は先ごろ衛生パス提示義務の期限を22年7月末まで延長することを決めていた。欧州では各国で新型コロナ感染が再拡大しており、追加接種の動きが加速している。イタリア政府は10日、これまで60歳以上を対象としていた追加接種を12月1日から40歳以上に拡大する方針を打ち出した。また、ドイツ政府は先ごろ、ワクチン接種完了から6カ月が経過したすべての人が追加接種を受けられるようにすることを決めていた。