欧州医薬品庁、仏バルネバ製ワクチンの逐次審査開始

欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は2日、仏ワクチンメーカーのバルネバが開発中の新型コロナウイルスワクチンの承認に向けた「逐次審査」を開始したと発表した。同社のワクチンはオミクロン株に対する有効性も期待されている。

逐次審査は感染症の世界的流行など緊急時に際して必要なワクチンや治療薬の承認手続きを迅速化するため、試験データを順次審査する制度。承認が正式に申請される前の段階で、最終的な試験結果を待たずに入手可能なデータから順次審査を進めるため、通常より短期間で審査を完了することができる。

バルネバのワクチンはEUで主流となっているメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとは異なる不活化ワクチン。同社によると、ウイルスの表面にある突起状の「スパイクたんぱく質」の多くが変異しても有効なように設計されていることから、オミクロン株にも効果があると「確信している」という。

欧州委員会は11月、バルネバ製ワクチンの承認に先立って、2022年から23年にかけて最大6,000万回分を調達する調達する契約を結んだ。

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