トルコ中銀が4会合連続で利下げ、緩和サイクルの終了も示唆

トルコ中央銀行は16日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を1ポイント引き下げ、14%に設定した。利下げは4会合連続。経済の活性化を優先するエルドアン大統領の意向に沿い、高インフレにもかかわらず金利を下げる異例の措置を繰り返した。一方で9月から続いた緩和サイクルの終了も示唆した。

同国のインフレ率は11月に21.3%となり、上げ幅は前月から1.4ポイント拡大した。これは2018年11月(21.6%)以来の高い水準。昨年9月(11.8%)からはほぼ右肩上がりで、上げ幅の合計は9.5ポイントに達している。通貨リラ安を受けた輸入品価格の上昇が特に大きく、これにエネルギーおよび食糧価格の高騰、サプライチェーンの混乱などが拍車をかけている。

中銀はインフレ率の上昇について「金融政策の制御が及ばない供給側の要因」によるものだと指摘。今回の決定は、それらを考慮した上で「残された利下げの余地」を利用したものだと説明した。そして、一連の金融緩和措置の効果を来年1~3月期中に検証し、「持続可能な物価安定の基盤構築に向けて」金融政策の枠組みを再評価するとした。

今回の利下げを受け、リラの為替相場は対米ドルで一時、1ドル=15.689リラまで急落し、史上最安値を更新した。利下げにより通貨安が進み、インフレ率を押し上げる負のスパイラルに陥っている状況だ。蘭ING銀のエコノミストのメルカン氏は、「世界的なインフレと、主だった中央銀行による引き締め傾向を踏まえると、今後は同国中銀もより制限的な立場に転じる必要があるだろう」と述べた。

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