ドイツ連邦統計局が7日発表した2021年11月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで前月比1.7%増の1,257億ユーロへと拡大した。増加は2カ月連続。原材料・部品価格の上昇が製品価格に幅広く転嫁されていることが反映されているもようだ。
11月の輸出高は新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の20年2月に比べると実質5.7%高かった。コロナ禍前の水準を上回るのは2カ月連続。
輸入高は前月比3.3%増の1,137億ユーロとなり、4カ月連続で拡大した。20年2月に比べると17.5%高い水準にある。
非調整ベースの輸出高は1,257億ユーロで、前年同月を12.1%上回った。輸入高も同19.3%増の1,137億ユーロへと伸びた。
貿易収支は120億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月に比べ28.6%縮小した。経常黒字も12.9%減の189億ユーロへと落ち込んだ。
輸出を仕向け先地域別でみると、ユーロ圏は14.4%増、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国は13.0%増、EU域外は10.0%増とすべて2ケタ台の伸びを記録した。米国は14.7%増、中国は4.2%減。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は4.9%減となり、4カ月連続で縮小した。
輸入ではEU域外からが22.8%増、ユーロ圏からが20.9%増と大きく伸びた。EUのユーロ非加盟国は7.3%増と伸び率が小さい。中国は29.8%増、米国は7.9%増、英国は7.9%減だった。
1~11月の輸出高は1兆2,580億ユーロとなり、前年同期を13.8%上回った。ユーロ圏向けが16.9%、EUのユーロ非加盟国向けが17.3%、EU域外向けが10.1%の幅で増加。英国向けは2.0%減少した。
1~11月の輸入高は16.1%増えて1兆914億ユーロとなった。ユーロ圏からが17.2%、EUのユーロ非加盟国からが14.0%、EU域外からが15.9%増加。英国からは7.6%減だった。
1~11月の貿易黒字は1,666億ユーロで、前年同期を0.8%上回った。経常黒字も7.4%増の2,237億ユーロへと拡大した。