●スマホアプリとAIを活用した小売り会計ソリューションを開発
●レジ待ちの時間が省け、店側も損失を減らせる
小売業界向けスピード会計システムを手がけるイスラエルのスーパースマート(Supersmart)はこのほど、同国投資会社ミレニアム・フードテックなどから1,000万米ドルを調達した。新技術の開発および既存技術の改良、従業員増員、新規市場での営業強化などを通じて顧客ベースの拡大や既存顧客への売り込み強化を計る。
スーパースマートが開発したのは、スマホアプリや人工知能(AI)を活用した会計ソリューション。買い物客はまず、自分のスマホに専用アプリをインストールする。このアプリで、商品をカートに入れるごとにバーコードを読み取る。すべて揃ったら、出口前のスキャン装置の下にカートをとめる。すると、カメラ、人工知能(AI)、重量センサが3秒以内にカートの中身とアプリで読み取った内容とを照合する。支払いはアプリでも決済機でも可能だ。レシートはスマホに送られる。
レジの列に並ばず、素早く会計が済むのに加え、小売店側はミスや万引きによる損失を90%減らせるという。
同社のソリューションはメトロ、エデカ、セルグロス(コープ・スイス)などの流通大手で採用済み。米国大手でも運用が始まりつつある。すでにドイツ、チェコ、トルコ、ウクライナ、ルーマニア、スペイン、ハンガリーで実用化されている。
スーパースマートは2014年の創業で、イスラエルで40人を雇用する。筆頭株主は、食肉加工機や計量ラベルプリンタなどを手がける独ビゼルバだ。