スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズが11日発表した2021年通期決算の営業利益は203億クローナとなり、前年から138.8%の大幅増を記録した。比較対象の2020年は上期に新型コロナの流行拡大で販売が大きく落ち込み、その反動が出た形だ。売上高は7.3%増の2,820億クローナ。営業利益率は7.2%となり、前年の3.2%から4ポイントに改善した。
21年10-12月期(第4四半期)は半導体部品不足に伴う生産制限が影響し、営業利益は前年同期比24.5%減の37億クローナ、売上高は6.1%減の801億クローナに後退した。営業利益率は1.2ポイント減の4.6%に下がった。同社では利益率の高いモデルに部品を優先供給することで完成車不足の影響を相殺できるよう努めている。
21年の世界販売は前年比6%増の69万8,700台に伸びたものの、10-12月期は前年同期比20%減の16万8,000台に落ち込んだ。一方、電気駆動車の専門ブランド「リチャージ」の販売は10-12月期に34%を占めた。内訳はプラグインハイブリッド車(PHV)が28%、完全電気自動車(BEV)が6%だった。
同社は今夏以降にBEVの生産能力を年15万台に増やすことを計画しており、通年でBEVの販売シェアを2倍以上に引き上げることを目指している。