仏トタルが露からの原油調達中止、LNG事業は継続

仏エネルギー大手のトタルエナジーズは22日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシア産原油、石油製品の購入を年内に中止すると発表した。一方、液化天然ガス(LNG)事業は継続する。

トタルのドイツにある製油所はロシアから原油を調達している。ウクライナ侵攻後にスポット(随時契約)購入は打ち切ったが、長期契約は破棄していなかった。英シェルなど欧米の同業大手がロシアからの完全撤退を打ち出す中、トタルは対応が緩いと批判を浴びていたことから、同契約を打ち切り、軽油など石油製品の購入も停止する。

独の製油所は代替策として、ポーランド経由で非ロシア産の原油を調達する。石油製品の調達はサウジアラビアに切り替える方針だ。

出資しているロシアのLNG事業に関しては、ロシア以外の企業、投資家に権益を売却することができず、いま見切りをつけるとロシアの投資家を利する結果になるとして、現状を維持する。同事業による欧州へのLNG供給についても、欧州各国の政府が必要とする限り続けるとしている。

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