スウェーデンがゼロ金利脱却、年内に2~3回の追加利上げを想定

スウェーデン中央銀行のリクスバンクは4月28日、政策金利をこれまでのゼロから0.25%に引き上げると発表した。5月4日から適用する。利上げは2020年1月以来で、政策金利がプラス圏になるのは約8年ぶり。高水準のインフレを背景に、ゼロ金利政策から脱却する。

中銀は2月時点で、物価上昇圧力は一時的なもので、利上げは2024年まで必要ないとの見方を示していた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー価格の上昇に拍車がかかり、インフレが加速していることから利上げに踏み切った。中銀は声明で、年内に2~3回の追加利上げを想定しており、3年後にはレポ金利が「2%をやや下回る水準」に達するとの見通しを示した。また、量的緩和策を縮小し、22年後半から国債などの資産購入ペースを減速させる方針も打ち出した。

スウェーデンの3月の物価上昇率は前年同月比6.1%と、1991年12月以来の高水準となった。イングベス中銀総裁は会見で「エネルギー価格だけでなく、自動車や家具、コーヒー、パンなどあらゆるものの価格が上昇しており、しばらくは物価高が避けられない。今後の金融政策は、インフレ率を(目標の)2%近くまで下げることが最優先課題だ」と強調した。

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