自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が米テネシー州チャタヌーガ工場を大幅に拡張するとの観測が浮上している。複数のメディアが消息筋の情報として報じたもので、電気自動車(BEV)と車載電池の生産を考えているもようだ。同社は報道内容へのコメントを控えている。
ロイター通信によると、同地に第2工場を建設し、BEVを2モデル生産する。具体的にはマイクバス「ID.バズ」とピックアップを考えている。
独経済誌『マネージャー・マガチン』は、同地の生産能力を現在の年25万台から最大60万台へ引き上げると報じた。新工場の近くには電池生産施設も設置するという。
VWは北米事業を強化する意向で、3月下旬には今後5年で同地に71億ドルを投資すると発表した。中国と欧州市場に偏った販売体制を是正していく考えで、米国市場でのVWグループのシェアを2030年までに現在の2倍強の10%へと引き上げることを目指している。BEVの販売強化に向け、米国に電池工場を設置する考えも表明した。