乗用車新車登録の減少幅拡大、4月は前年同月比22%減に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した4月の乗用車新車登録台数は前年同月比21.5%減の18万264台となり、減少幅は前月の17.5%から拡大した。減少は2カ月連続。部品不足による生産低迷がロシアのウクライナ侵攻で加速したことが響いた。1~4月も前年同期比9.0%減の80万6,218台へと後退している。新型コロナウイルス感染流行前の19年1~4月に比べると32%少ない。

4月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は前年同月比6.9%減2万2,175台となり、これまで長く続いた増加にストップがかかった。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)は11.4%減の5万6,786台へと後退。PHVは19.6%落ち込んだ。内燃機関車はガソリン車が27.8%、ディーゼル車が29.7%の幅で後退した。

シェアをみると、BEVは前年同月の10.4%から12.3%へと拡大。HVも27.9%から31.5%へと伸びた。PHVは0.2ポイント増の12.0%だった。ガソリン車は39.2%から36.1%、ディーゼル車は21.9%から19.6%へと落ち込んだ。BEVとPHVの合計のシェアは24.3%、BEVとHVは同43.8%だった。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は122.5グラムで、前年同月から3.1%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。

新車登録が増加した部門はなかった。主要3部門はSUVが10.2%減、コンパクトカーが37.0%減、小型車が22.2%減となっている。シェアはSUVが24.4%から27.9%へと拡大。コンパクトカーは17.8%から14.3%、小型車は14.2%から14.1%へと落ち込んだ。

主要ブランドの実績をみると、電動車専門のポールスター(203.2%増の467台)とテスラ(34.3%増の650台)はこれまでに引き続き大きく伸びた。三菱は29.5%増の3,592台で伸び率3位、起亜は26.5%増の6,882台で同4位だった。

ドイツ車はポルシェ(3.9%増の2,093台)を除いてすべて減少した。各ブランドの実績はアウディが15.0%減の1万4,286台、フォードが15.9%減の1万24台、BMWが19.1%減の1万6,527台、メルセデスが25.1%減の1万6,471台、VWが30.9%減の2万9,873台、オペルが32.4%減の9,560台、スマートが42.1%減の1,316台、ミニが46.7%減の2,148台。

三菱以外の日本車ではトヨタ(6.1%増の6,448台)とレクサス(0.5%増の201台)が増加した。そのほかは、ホンダが1.8%減の719台、日産が14.1%減の2,296台、スバルが25.1%減の325台、スズキが36.3%減の831台、マツダが38.4%減の2,085台だった。

日本車以外の主な輸入ブランドは現代が4.2%減の7,324台、フィアットが10.1%減の6,390台、ジープが11.9%減の1,285台、ダチアが12.8%減の2,896台、アルファロメオが18.3%減の219台、DSが22.6%減の147台、ボルボが25.2%減の2,534台、セアトが25.7%減の6,674台、ランドローバーが25.7%減の1,200台、シトロエンが27.2%減の3,450台、シュコダが33.6%減の9,047台、ルノーが39.3%減の5,387台、プジョーが43.1%減の3,014台、ジャガーが57.0%減の302台。増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは1,065台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは435台となっている。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した4月の国内乗用車生産台数は25万7,600台となり、前年同月を13%下回った。減少は3カ月連続。輸出台数も23%減って18万3,700台となった。1~4月の累計は生産台数が前年同期比12%減の108万4,000台、輸出台数が17%減の79万5,100台だった。

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