EU統計局ユーロスタットが16日に発表した3月の貿易収支(速報値、季節調整前)統計によると、ユーロ圏の収支は164億ユーロの赤字だった。ロシアのウクライナ侵攻で輸入依存が高いエネルギー価格が急騰したことが響き、前年同月の黒字(225億ユーロ)から悪化。単月の赤字幅としては、統計開始後の最高記録を更新した。(表参照)
赤字となるのは5カ月連続。輸出が前年同月比14%増の2,501億ユーロに伸びたが、輸入が35.4%増の2,665億ユーロとなり、輸入を上回った。
EU27カ国ベースでは輸出が12.8%増の2,205億ユーロ、輸入が40.4%増の2,482億ユーロで、277億ユーロの赤字。前年同月は187億ユーロの黒字だった。1~3月はエネルギーのEU域外からの輸入が前年同期比138.4%増の1,647億ユーロと大幅に膨らんだ。
EUと主要貿易相手国の1~3月の収支をみると、対ロシアはエネルギーの輸入額が急増した影響で、赤字が前年同期の108億ユーロから452億ユーロに拡大した。対日は23億ユーロ、対米は417億ユーロの黒字。対中は919億ユーロの赤字だった。