シーメンス―史上最大の受注獲得、エジプトに2,000キロの電化路線敷設へ―

電機大手の独シーメンスは5月28日、同社を中心とするコンソーシアムがエジプトのトンネル公社(NAT)に包括的な鉄道システムを納入することで合意したと発表した。シーメンスの受注額は同社史上最大の81億ユーロ。エジプトは同国初の長距離電化路線敷設を通して、経済発展や二酸化炭素(CO2)の排出削減を図る意向だ。

エジプト政府は高速列車が走行できる総延長およそ2,000キロメートルの電化路線敷設を計画している。路線は(1)紅海の港湾都市アイン・スクナと地中海のメルサマトルー、アレクサンドリアを結ぶ660キロの区間(2)カイロとスーダン国境に近いアブ・シンベルを結ぶ1,100キロの区間(3)世界遺産ルクソールと紅海のフルガダを結ぶ225キロの区間――の3つ。このうち(1)については昨年9月に受注を確保しており、今回はさらに(2)と(3)の受注を追加で獲得した。(1)でシーメンスが獲得した受注額(27億ユーロ)は今回発表した81億ユーロの受注額に含まれている。

シーメンスはこれらの受注で高速列車「ヴェラロ」41編成、ローカル線用列車「デジロ」94編成、貨物列車用けん引車「ベクトロン」41両、「欧州列車制御システム(ETCS、レベル2)」ベースの信号システム、電力供給システムを納入するほか、設計、設置、15年間のメンテナンスサービスなどを引き受ける。コンソーシアムに参加する他の企業(現地建設大手オラスコム・コンストラクションとアラブ・コントラクターズ)は鉄道の敷設を引き受ける。

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