●2024年で失効する現行の国際協力協定の更新を見送る
●露のドゥブナ合同原子核研究所との協力関係についても再検討
スイスの欧州原子核研究機構(CERN)は16日の理事会で、ロシアおよびベラルーシとの提携を打ち切る方針を決定した。ロシアの対ウクライナ侵攻を受けた措置で、2024年で失効する現行の国際協力協定(ICA)の更新を見送る。今後のウクライナ情勢次第では、さらに踏み込んだ決定も辞さない姿勢だ。
CERNが各国と結んでいるICAの期間は通常5年。一方が失効より6カ月以上前に解約を通告しない限り更新される仕組みだ。ロシアとの契約は24年12月、ベラルーシとは同6月までが期限となっている。
今回の理事会決定は、3月8日の臨時理事会および同月25日の定期理事会で採択された方針を正式に決定するものだ。ロシアのオブザーバー資格停止など、これまでCERNが下した決定も引き続き効力を持つ。
CERNはまた、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所(JINR)との協力関係についても、契約の切れる25年1月よりも相当前の時期に再検討するという立場を明確にした。