ギリシャとブルガリアを結ぶガスパイプライン開通、アゼルからの供給可能に

ギリシャとブルガリアを結ぶ天然ガスパイプライン「インターコネクター・ギリシャ・ブルガリア(IGB)」が完成し、8日にギリシャ北東部コモティニで開通式が行われた。ロシア国営ガスプロム社は4月にブルガリアへのガス供給を停止したが、アゼルバイジャン産天然ガスをギリシャ ・アルバニア ・イタリアに運ぶ「アドリア海横断パイプライン(TAP)」とIGBを接続することで、ブルガリアは初めてロシア以外の国からガス供給を受けることになり、調達先の多角化を進めることが可能になる。

開通式にはギリシャのミツォタキス首相とブルガリアのペトコフ首相が出席した。ミツォタキス氏は「IGBは単なるガスパイプラインではなく、欧州の北と南を結ぶエネルギーの架け橋だ」と強調した。一方、ペトコフ氏はブルガリア側がルーブルによる支払いを拒否したことを理由に、ガスプロムが同国へのガス供給を完全に停止している点に触れ、「新パイプラインはロシア産ガスへの依存に終止符を打つ役割を果たす」と指摘。「IGBは地域のエネルギー地図を塗り替えるだろう」と述べた。

IGBはコモティニとブルガリア中部のスタラザゴラを結ぶ全長180キロメートルのパイプライン。当初の輸送能力は年間30億立法メートルで、50億立法メートルに引き上げる計画もある。ギリシャとブルガリアの当局者によると、パイプラインは8月初旬までに稼働する見通しだ。

なお、ギリシャはバルカン半島におけるエネルギーハブの役割を果たそうとしており、北東部のアレクサンドル―ポリ港とコモティニの近くに液化天然ガス(LNG)ターミナルの建設を進めている。

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