米グーグルは19日、スマートフォンのアプリストアにおけるアプリ購入やアプリ内課金について、欧州で外部企業の決済システムを利用できるようにすると発表した。これまではアンドロイド端末向けのアプリ配信サービス「グーグルプレイ」で自社の決済システムの利用を義務付けてきたが、巨大IT企業に対し、他社のサービスを排除したり、自社サイトで自社の製品やサービスを優遇するなどの行為を禁止する「デジタル市場法(DMA)」が今秋にも施行されることから、これに対応するため外部の決済システムの利用を認める。
グーグルプレイをめぐっては、自社の決済システムの利用を義務付け、アプリ開発者から15~30%の手数料を徴収する商慣行について、優越的地位の乱用にあたり競争法に違反するとの批判が高まっていた。欧州議会は7月上旬、「ゲートキーパー(門番)」と呼ばれる巨大プラットフォーム企業に対する規制を強化するDMA案を可決しており、グーグルはこれを受けて今回の措置を打ち出した。
発表によると、EU27カ国とノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを含む欧州経済領域(EEA)では、グーグルプレイで外部の決済システムを利用することが可能になり、その場合は手数料が3%減額される。現在は売上高が年間100万ドルまでは手数料が15%に設定されているため、グーグルによると、ストアにアプリを登録している開発者の99%は外部決済を利用した場合の手数用が12%になるという。当面はゲーム以外のアプリが対象だが、グーグルはDMAの施行までに対象を広げる方針を示している。