インフレ率3カ月ぶりに上昇、8月は7.9%に

ドイツ連邦統計局が30日発表した8月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で7.5%上昇し、上げ幅は3カ月ぶりに拡大した。6月と7月は物価高騰の直撃を受ける一般世帯向けの負担軽減策でインフレ率が低下したが、8月は食料品とツアー料金の高騰が加速。インフレ率が押し上げられた。9月以降はさらに上昇すると見込まれている。

食料品の上げ幅は16.6%となり、前月の14.8%から拡大した。最大州ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)のデータではパンで25%、バターで45.8%を記録している。

物価の構成比重が53%に上るサービスは2.2%上昇した。6月に導入された9ユーロ定期券と燃料税減税の効果で7月までの2カ月間は上げ幅が縮小していたが、パックツアーの料金が一段と上昇したことから、サービス価格が上昇へと転じたもようだ。NRWではパックツアーの上げ幅が前月の10.1%から12.5%へと拡大している。

エネルギー価格は35.6%上昇したものの、上げ幅は3カ月連続で縮小した。

前月比のインフレ率は0.3%で、前月の同0.9%から大きく低下した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が8.8%、前月比が0.4%となっている。

ユーロ圏の8月のインフレ率は前年同月比で9.1%に達した。欧州中央銀行(ECB)が9月8日の定例政策理事会で利上げに踏み切るのは確実と目されている。市場の関心は上げ幅を0.5%にとどめるのか、それとも0.75%とするのかに向けられている。

ECBは7月下旬、主要政策金利をゼロ%から0.5%に引き上げ、11年ぶりに利上げを実施した。コメルツ銀行のチーフエコノミストは『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、インフレを退治するためには同金利を4%とする必要があるとの見方を示した。

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