樹脂包装材メーカーの20%が存続の危機、電力・ガスコストは平均で年初の2倍に

独樹脂包装材産業連合(IK)は1日、エネルギー価格の高騰を受け加盟企業300社の20%が存続の危機に立たされていると発表した。生産停止と雇用喪失を避けるため政府に対応を取るよう要求している。

IKによると、加盟企業の電力コストは年初からこれまでに平均2倍に膨らんだ。上昇率が300%、500%、750%に達する企業もある。天然ガスも事情は同じで平均で2倍に拡大。上昇率が最も大きい企業では625%に達した。

高騰は来年も続く見通しだ。電力では上げ幅の予想平均が240%、天然ガスでも同250%となっている。企業によっては電力で1,200%、天然ガスで1,000%超の上昇を見込む。

マルティン・エンゲルマン理事長は「エネルギー集約型企業の多くは2023年の電力調達契約をまだ結んでいない。取引所の電力価格が10倍に膨らんでいるため、そのような契約を締結することは現在、経済的に考えられない。企業は必然的に加熱しているスポット市場へと向かうことになる」と深刻な現状を指摘。また、天然ガス輸入会社の大幅に膨らんだ調達コストを川下に転嫁する分担金が10月から導入されることもエネルギー集約型企業の負担を増やすと懸念を表明した。

政府に対しては、産業向けの電力・天然ガス価格を、メーカーが国際競争力を保てる水準に抑制する政策を要求した。電力の取引所価格を天然ガスの価格に連動させるルールについては、電力取引所価格の高騰を招いているとして廃止を求めている。同理事長は「ガス価格の上昇が電力市場に及ぼす影響を政府は長い間、見て見ないふりをしてきた。(その結果)我々は現在、深刻な電力問題を抱えている」と怒りをぶちまけた。

天然ガス調達コスト分担金に関してはメーカーの負担に上限を設ける必要があるとしている。

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