化学大手の独BASFと韓国造船大手の現代重工業は9日、船舶が排出する二酸化炭素(CO2)を船上で分離・貯蔵する「船上二酸化炭素回収・貯留(OCCS)」のフィージビリティスタディを実施することで合意したと発表した。船舶のCO2排出削減が温暖化防に向けた重要な課題の1つとなっていることを受けた措置。現代重工は低炭素の船舶を市場投入し、競争力を高める狙いだ。
BASFは海洋ガス田の天然ガスを冷却してLNG(液化天然ガス)へと転換する浮体式液化天然ガス(FLNG)分野のノウハウと、ガスを浄化する同社独自の「OASE(オーエイス)ブルー」技術を提供。現代重工はガス処理装置を船舶に搭載することを検討する。
国際海事機関(IMO)は海運で排出されるCO2の量(輸送量ベース)を2030年までに08年比で40%以上、削減することを目指している。