ファナックがドイツで新たな顧客層を開拓している。これまでは産業用ロボットを工場向けに供給してきたが、現在は人とスペースを共有しながら作業できる協働ロボットを手工業者や小規模事業者に売り込んでいる。独法人ファナック・ドイチュラントの経営者ラルフ・ヴィンケルマン氏への取材をもとに22日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
同社は例えばパン屋やスーパーマーケットのパン売り場向けに協働ロボットを供給している。パン焼き機の有力メーカーである独ヴィースホイと協業。焼き上がったパンをアームで取り出して並べたり、パレットに積んだりしている。
ヴィンケルマン氏は協働ロボットの登場で全く新しい市場が開けたと指摘。ドイツでは人材不足が年々、深刻化していることもあり、市場の先行きは明るいとの見方を示した。手工業者が協働ロボットを導入する際は直感的に操作できる使いやすさが決め手になるという。
ファナック・ドイチュラントはシュツットガルト近郊のノイハウゼンに拠点がある。従業員数は300人で、売上高は約2億ユーロに上る。