ボーダフォンがスリーと英事業統合交渉、実現なら国内最大の携帯電話会社に

英通信大手ボーダフォンは3日、国内の携帯電話サービス事業を同業スリーと統合する方向で協議していると正式発表した。実現するとBT傘下のEEを抜き、英最大手の携帯電話サービス会社となる。

ボーダフォンは英携帯電話サービス子会社ボーダフォンUKと、香港の複合企業CKハチソンホールディングス傘下の同業スリーの経営統合を目指し、協議を進めている。新会社の持ち株比率についてはボーダフォンが51%、CKハチソンが49%とする案が浮上しているという。

英携帯電話サービス市場でボーダフォンは3位、スリーは4位(顧客数ベース)。統合が実現すれば、誕生する新会社は現在の最大手EE、ヴァージン・メディアO2を抜き、首位に立つ。

両社が統合するとの観測は5月頃から浮上していた。単独では難しい第5世代(5G)サービスのインフラ整備などを進める狙いがある。健全な競争の維持を重視してきた英競争当局が、携帯市場で4社体制に固執せず、条件によっては大手同士の統合を容認する方針を2月に打ち出したことも動機となった。

市場では、それでも両社の統合承認のハードルは高いとの見方も出ているが、ボーダフォンは「ボーダフォンUKとスリーは、資本コストに見合うもうけを出すのに必要な規模に達していない」として、統合の妥当性を強調している。

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