BASFが2ケタ減益、欧州でコスト5億ユーロ削減へ

化学大手の独BASFが12日に発表した2022年7-9月期(第3四半期)暫定決算の純利益は9億900万ユーロとなり、前年同期を27%下回った。連結対象外の子会社である天然ガス・石油大手ヴィンタースハル・デーエーアーへの出資で約7億4,000万ユーロの評価損を計上したことが響いた。BASFは業績不振の欧州でコスト削減プログラムを実施する意向も表明した。

ヴィンタースハルはバルト海経由のパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社ノルドストリームAGに資本参加している。BASFが今回、計上した評価損にはノルドストリームAGに対するヴィンタースハルの出資が含まれている。

BASFの7-9月期の売上高は前年同期比12%増の219億4,600万ユーロに拡大した。販売価格の引き上げが最大の増収要因。米ドル高もプラスに働いた。

営業利益(EBIT、特別項目を除く)は28%減の13億4,800万ユーロに落ち込んだ。原料・エネルギー調達コストの高騰分を川下に転嫁しきれなかったことから大幅減益となった。

欧州のコスト削減プログラムはドイツを中心に実施する。期間は23年~24年。生産以外の分野でコストを年5億ユーロ圧縮する。本社所在地ルートヴィヒスハーフェンの拠点がその半分以上を占める。人員削減の規模は未定。従業員代表と今後、行う協議で決まる。

同社は欧州で中・長期の生産体制を見直す方針も明らかにした。具体的な計画を現在、策定しており、来年1-3月期に公表する予定だ。

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