欧州連合(EU)は12日、プラハで開いた非公式エネルギー相会合でエネルギー価格高騰への対応策を協議し、来冬に向けて天然ガスの共同調達を進めることで合意した。ロシアのウクライナ侵攻を起点とする供給不足が続くなか、加盟国間の獲得競争による価格上昇を防ぐと共に、価格交渉力を高める狙い。
天然ガスの共同調達は、欧州委員会が価格高騰対策の一環として提案していた。現在は加盟国がそれぞれ個別に自国分を調達しているため、ドイツなど財政基盤の強固な国が結果的に取引価格を引き上げ、規模の小さい国が不利な状況に置かれているとの不満がある。共同調達に切り替えれば加盟国間の競争を回避できるうえ、供給元との交渉でもEUが優位に立つことができる。
EU議長国チェコのスィーケラ産業・貿易相は会合後の記者会見で、加盟国がガスの共同調達で合意したことを明らかにし、2023~24年の冬に備えて来夏までの開始を目指す方針を示した。