ハンガリー中央銀行は25日、政策金利を13%に据え置くことを決めた。景気に減速がみられる中、高金利で物価上昇に歯止めをかける引き締め政策を維持する。中銀は前回まで17会合連続で利上げを実施しており、前回会合で利上げサイクルの終了を明言していた。
政策金利の下限となる翌日物貸出金利は12.5%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は25%に、それぞれ据え置いた。 同国の9月のインフレ率は前月から4.5ポイント増の20.1%に急上昇した。インフレ率の上昇は9カ月連続で、ウクライナ戦争勃発後の3月(8.5%)からの上げ幅の合計は11.6ポイントに上る。食品価格とエネルギー価格の高騰に加え、欧州における歴史的な干ばつの影響が物価を強く押し上げている。一方で中銀は今後について、数カ月は上昇を続けるが、世界経済の成長の鈍化や、国内の景気減速を受けた消費者需要の減退により、2023年の前半から緩やかに下がり始め、年央からはさらに大幅に低下するとみる。そのうえで、今年のインフレ率を13.5~14.5%と予測している。
中銀は声明で、同国経済は6月から明らかに減速しており、特に小売り売上高の伸び率に鈍化がみられると指摘。金融市場の安定確保が物価を安定させるための鍵だとしたうえで、10月中旬に実施した上限金利の引き上げなどの「的を絞った」措置を講じることで市場リスクを管理し、安定を維持できるとした。今後も金融環境を長期間引き締めることで、インフレ目標を持続可能な形で達成できるとしている。