英中銀が0.75ポイント利上げ、物価高で引き締め強化

英中央銀行のイングランド銀行は3日、政策金利を現行の年2.25%から0.75ポイント引き上げ、3.0%とすることを決めた。景気に先行きは悪化しているが、物価上昇に歯止めをかけることを優先し、1989年以来33年ぶりの大幅利上げに踏み切った。

利上げは2021年12月から8会合連続。6月までの上げ幅は0.15~0.25ポイントと小刻みだったが、8、9月に0.5ポイントに引き上げた。今回の金融政策委員会では、9月のインフレ率が前年同月比10.1%と約40年ぶりの高水準に達したことから、引き締めを一段と強めた。政策金利が3%台となるのは08年以来だ。

イングランド銀は英経済が7~9月期にマイナス成長に転落し、景気後退局面に入ったと見積もっている。大幅利上げは経済をさらに圧迫するため、委員のうち1人は0.25ポイント、1人が0.5ポイントの利上げを主張したが、残る委員が0.75ポイントとすることを支持した。

イングランド銀は政策金利を3.0%で維持した場合、インフレ率が24年末には目標水準の2.0%に近い2.2%まで縮小するものの、23年末は5.6%と高水準にとどまると予測。一方、それでも5四半期にわたって景気後退に陥るとしている。一方、5.25%まで引き上げると、3年間でインフレ率はゼロ%になるが、景気後退の期間は8四半期に延びるという試算を示し、今後の利上げ幅は市場の予測より小さいとして、景気への配慮もみせた。

上部へスクロール